最近の選手はテレビゲームなどのインドアの遊びが増えたので、外で遊ぶ時間が少ない。私たちが自然と遊んで身につけたものを、意識的に強化する必要がある。F・マリノスでも週4回の練習のうち、最低でも2回はクロスボールの練習を入れている。正直に言えばそれでも足りないぐらいである。
ゴールキーパー専門講座 p92~93
試合のある週では「クロスボール(ハイボール)のトレーニング」を何回行っていますか?
一概に、何回やれ!という明確な基準はありませんが、松永成立氏のゴールキーパー専門講座の言葉を引用させていただきました。
僕もこの意見に賛成で、やはりGKにとってクロスボール(ハイボール)の処理は非常に難しいです。したがって、週に1度だけでは足りないと思います。個人的には、試合の二日前ぐらいから行うのが良いでしょう。
こんにちは、Atsuyaです。
本日は2019年9月27日に獨協大学でGKトレーニングを行ったので、それについてブログでまとめていきたいと思います。
今回のテーマは、『明後日の試合に向けて準備(クロスボール)』です。
具体的なトレーニング内容とともに詳しく解説していきたいと思います。
と、その前に!!!
クロスボールの処理で必要な技術的な8つの要素を紹介します。
- クロスボールに対する身体の向き(ポジショニング)
- エリア内の状況把握、コーチング
- 正しく落下地点を予測する
- 落下地点までステップで歩数を合わせる
- ジャンプ動作を行う
- フィジカルコンタクトをする場合がある
- キャッチングもしくはパンチングの判断をする
- キャッチングもしくはパンチングの技術を発揮する
こちらの8つの要素の中で、自分自身が何が課題なのかを明確にすることが大切です。
8つの要素とともにクロスボールの具体的なトレーニングを以下のブログで解説しています👇
本日のトレーニングの流れはこちらです👇
W-up
- スターセーブ(ストレッチ)
- ハイボール
- バウンドボール→正面キャッチ
トレーニング
- フットワーク→ローリングダウン→下がりながらのハイボール
- 相手と味方を配置したクロスボール対応
- シュートストップ→セカンドアクション
では、具体的な内容とともに解説していきます。
W-up
スターセーブ(ストレッチ)
まずはW-upとして2人一組でスターセーブのストレッチを行いました。GKは技術も大事ですが身体的な能力も必要です。これは単に走るのが速い、高くジャンプできることだけではなく、柔軟性やコーディネーションを高め、多少無理がきく体にならなければなりません。
スターセーブもその一つで、柔軟性が求められます。ですので、ほぼ毎回のトレーニングでこのストレッチを行っています。
以下のブログでスターセーブについて詳しく解説しています👇
ハイボール
続いては、W-upとしてハイボールキャッチを行いました。クロスボール(ハイボール)で大切なことはタイミングを合わせることです。
以下のツイートをご覧ください👇
細かいステップで落下地点付近まで行き、大きな歩幅で最後ジャンプしてボールに合わせる。
最初から大きな歩幅で合わせようとするとボールの軌道が変わった時に対応できなくなる。
このようにクロスボール(ハイボール)では正しく落下地点を読みことができたら、その落下地点まで適切な歩数でボールへアプローチしなければなりません。
このトレーニングでは、落下地点付近まで細かいステップで移動し、最後、大股でボールに合わせることを意識しました。
バウンドボール→正面キャッチ
正面でグラウンダーのキャッチを行い、ポジションを移動してキャッチングを行いました。
普通に正面キャッチを行うと、正しい構えができる選手はたくさんいます。しかし、ポジション移動をすると手の位置がばらばらになったり、プレジャンプが大きくなる選手がいます。ポジション移動をしても、常に同じ構えができるようにしていきましょう。
正確なキャッチングを身につけたければ、以下の基本的なポイントは抑えてください!
- 手を前に置く(自然と前傾姿勢になる)
- 足を肩幅に開く
- 脇を開き過ぎない
- 足は常に動くように
- お腹のあたりから手を出す(ボールを挟まない)
- ボールを手にはめるイメージ
- はまったら指でボールを掴む
そしてこれらの要素を以下のブログで詳しく解説しています👇
トレーニング
フットワーク→ローリングダウン→下がりながらのハイボール
暗くなってくるのが早くなってきましたね~
続いては、スラロームステップで前進し、ゴロのダイビングを行い、下がりながらのハイボールを行いました。
下がりながらのハイボールは非常に難しいです。特に右利きの場合、下がりながら右足で踏み切るとヤクルト一本分ぐらいしか飛べてないことがあるので、意図的に下がりながらのハイボールを行うことは大事です。
相手と味方を配置したクロスボール対応
試合2日前ということもあり、クロスボールのトレーニングを行いました。クロスボールのトレーニングでは相手FW役を設定するのが大事です。
クロスの処理でやってしまうミスは『最高到達点』で触ろうとしてしてしまうことです。クロスの処理で一番大切なことは『相手より先に触ること』です。
そのためトレーニングでは常に相手を設定します。もしGKの人数が少ない場合は大きめのコーンを置いて行います。
今回は相手FW役と味方DFを設定して行いました。DF役は基本的に向かってきたボールをクリアします。しかし、あえてクリアミスをしたり、ボールに触るふりをします。GKはDFがいるからと言って安心してはいけません。どんなボールが来ても、常に反応できるように準備しましょう。
シュートストップ→セカンドアクション
最後のトレーニングです。今月は『1vs1』のトレーニングを中心に行ってきました。1vs1の技術的な要素は理解できているため実戦形式のトレーニングを行いました。
このトレーニングでは、GKがボールを持ち、シュートを打たれる瞬間にボールを落とします。最初のシュートに反応した後、自分が落としたボールに対してアクションを起こします。
「取れる間合い」に持ち込めない時はステイせず体を投げ出すことも必要であると選手に伝えました。
打たれるまでボールを保持してもらった理由は、プレジャンプの時に手後ろに引いてしまう選手が多いからです。
まとめ
GKにとってクロスボール(ハイボール)の対応は非常に難しいです。正しく落下地点を読み、それに合わせて適切な歩幅でボールへアプローチするなど、やらなくてはならないことがたくさんあります。またパンチングの技術も必要なので、知らなければならない技術もたくさんあります。
またクロスボールに対して出られなかった時のポジション修正やダイビングの仕方など知らなければならないことがたくさんあります。
GKは難しいポジションですが、これらの一つひとつの技術をしっかり高めていければ素晴らしいGKになれる日が来ると思います。
また今月のトレーニングでは『1vs1』のトレーニングを中心に行っていきました。1vs1に必要な要素を解説したブログを最後に載せておきます。
是非ご覧ください!
顔からいくから怖い・・・フロントダイブでのブロッキングは手根骨を使え!@獨協大学 2019/9/10
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勝てる「間合い」に持ち込め!1vs1で勝つトレーニング@獨協大学
手足をめいいっぱい広げてシュートコースをシャットアウト!~スターセーブ基礎~@獨協大学 2019/9/24
最後まで読んでいただきありがとうございました。
YouTubeに練習動画を上げているので是非ご覧ください👇
https://www.youtube.com/channel/UCXCoS4OAiZkDbKC9FTYN7tA