キーパーにとって、ゲームの98%以上はOFFの場面。しかし、たった1%強のONのプレーがうまくいかなとゴールを決められ、ゲームにも負けてしまうかもしれません。いつ来るかわからないONの場面のために、OFFの時間をいかに準備できるか。それを追及するのが現代型のゴールキーパーの姿です。
サッカーゴールキーパー トレーニングメニュー集―スペースを守る、ゴールを守る、配球する! (Soccer clinic+α サッカークリニックDVDシリーズ) p19より引用
これは僕自身がこの本から学んだうちの一つである。
こんにちは、Atsuyaです。
今回は2016年10月10日に発売された
サッカーゴールキーパー トレーニングメニュー集―スペースを守る、ゴールを守る、配球する! (Soccer clinic+α サッカークリニックDVDシリーズ)
by北埜洋一氏の本を読んだので感想をブログで書いていきたいと思います。
北埜氏は、
1979年生まれ。千葉県市川市出身。習志野高校卒業後、ケガにより引退するとGK指導者の道へ。28歳でイギリスへ留学し、GK指導ライセンス(FAレベル1)を取得。帰国後FCクラッキス松戸でコーチに就任し、GKスクールでの指導にも携わる。2013年イタリア国際GKコーチ研修会(APPORT)に日本人として初めて参加し、欧州の指導者と交流。以後毎年欧州各国を訪れ、GK指導を多角的に学んでいる。2014年からブリオベッカ浦安(JFL)GKコーチ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
サッカーゴールキーパー トレーニングメニュー集―スペースを守る、ゴールを守る、配球する! (Soccer clinic+α サッカークリニックDVDシリーズ)
以下の3つの観点でブログを書いていきます👇
- 日本のGKが上手くなるには?
- この本のキーワード
- 読後の自分自身の変化
日本のGKが上手くなるには?
なぜヨーロッパではよいゴールキーパーが育つのか。
日本との違いは何なのか。
それはハード(環境)面とソフト(指導法)面がヨーロッパの方が日本よりも格段に充実しているからである。
日本ではハード面、つまり芝生の柔らかいのグラウンドではなく、
土の固いグラウンドでGKトレーニングをしなければならない環境が多い。
環境が良くないため、よいGKが育たないのではないかと議論されがちだ。
確かに、それも一理ある。
北埜氏曰く、もちろん環境にも差はあるが、実はソフト面(指導法)にも差がある。
ヨーロッパでは基礎的な技術を身につけるために非常にシンプルなトレーニングが多い。
そして試合で使えるようにトレーニングのプログラムを組む。
これだけである。
したがって、日本でも技術を身につけるためにシンプルなトレーニングを行い、
試合で使えるテクニックを学べば、より効率よくGKの強化・育成が行えるだろう。
しかしこの「トレーニングのプログラムを組む」ことが難しい。
具体的なトレーニングの構成方法などは、サッカーゴールキーパー トレーニングメニュー集―スペースを守る、ゴールを守る、配球する! (Soccer clinic+α サッカークリニックDVDシリーズ)に細かく書いてあるので是非読んでみてください。
この本のキーワード
本書のキーワードはゴールキーパーの「ON」と「OFF」時のプレー(アクション)である。
ONのプレーとは?
ONのプレーとはいわゆる、GKが実際に起こすアクションのことだ。
書籍によって書き方は異なるが、GKのアクションを3つにわけることができる。
この本では、
- ゴールを守る
- スペースを守る
- 配球する
と記載されている。
具体的に、クロスボールの処理やダイビング、1vs1のブロッキングやスローイングなどがキーパーのONのプレーである。
ちなみに、ドイツに学ぶ最強GKの育て方 (B.B.MOOK1423)では、
- ゴール・ディフェンス
- スペース・ディフェンス
- オフェンス・アクション
と記載されている。
OFFのプレーとは?
OFFのプレーとは、簡単に説明するとONのプレーを行う前の準備である。
例えばキーパーのOFFのプレーには、
- 状況を読む力
- 決断力
- 素早くバランスよく動ける身体的な能力
- コミュニケーション能力
というものがある。
実際に言葉にするのは簡単ですが、これをトレーニングに組み込むことは本当に難しい。
キーパーはOFFの時間がほとんどだ。
その時間は90分の試合時間のうち89分がOFFの時間ともいわれている。
そして、他のGKの技術書や技術解説動画などは「ON」の説明がほとんどだ。
この本は、GKがボールに触れていない時に何をすべきかを丁寧に解説している。
GKコーチだけでなく、選手自身にも読んでほしい一冊だ。
読後の自分自身の変化
僕自身、GKコーチとしてトレーニングを考えることはもちろん、
選手として自主練をするときも自分でトレーニングメニューを考える。
トレーニングを考える時に、量より質を求めすぎてしまったことがあった。
しかし、この本を読んでGKの技術を習得するならば
シンプルなトレーニングで良いということを学んだ。
例えば、以下の動画のようにキャッチングの技術を上げたいのであれば、
シンプルに速いボールを蹴り、数をこなすことも必要だ。
実際にチームでトレーニングを行うときは、GKトレーニングの時間は少ない。
GKトレーニングが30分以下の場合もある。
GKコーチとして、限られた時間の中でいかに選手たちにボールを触らせることができるか、
そして、より実践に近いトレーニングを組み込めるかが大切だと改めて実感した。
まとめ
サッカーゴールキーパー トレーニングメニュー集―スペースを守る、ゴールを守る、配球する! (Soccer clinic+α サッカークリニックDVDシリーズ)は、
題名のとおり、トレーニングメニューがたくさん書いてある本だ。
しかし、前半の部分はGKの原理原則が図や写真を使ってわかりやすく書いてある。
そして、本の後半では一人でできるコーディネーショントレーニングから、
二人組でできる基礎的なトレーニング、
そしてフィールドプレーヤーを混ぜたトレーニングまで解説している。
個人的におすすめのPART(章)はPART2。
これまでブログでも書いてきた通り、
「OFF」のプレーについて詳しく解説しているからである。
GKが試合中に輝ける場面は数回しかない。
その数回のためにGKは最高の準備をしなければならない。
皆様の活躍を期待しています。
最後までご覧いただきありがとうございました。