体格に劣る日本人選手が世界と戦うには、組織力や連動性、スタミナ、アジリティで勝負していくしかない。
新GK論 10人の証言から読み解く日本型守護神の未来 まえがきより
これがいわゆる、オシム監督が提言した「考えて走るサッカー」である。
つまり、日本サッカーの日本化である
では、日本人GKの日本化とは……
こんにちは、Atsuyaです。本日は 2019年5月30日に発売された『 新GK論 10人の証言から読み解く日本型守護神の未来 』by 田邊雅之氏の本を読んだので感想をブログで書いていきたいと思います。
以下の3つの観点でブログを書いていきたいと思います。
- この本のテーマは?
- 本の構成は?
- 感想、おすすめの章は?
この本のテーマは?
この本のテーマは、冒頭でも少し書きましたが「日本人GKの日本化」です。
日本のサッカー界は、段々と世界レベルへ近づいています。
最近では、久保建英選手がヨーロッパのビッククラブであるレアルマドリードへ移籍しましたよね。
確実に日本サッカーのレベルは上がってきています。
そんななか、
「GKのレベルは上がっているのだろうか」
「日本のGKは世界で戦えるのか」
筆者はそんなことを疑問に思いながら、10人の日本人のGK(選手、指導者)にインタビューしていきます。
僕がこの本を読み進めていく中で思ったことを一つ書いていきたいと思います。
それは「GKがチームを選ぶ時代が来る」ということです。
この本の中でも権田選手が、ノイアー選手とブッフォン選手を例に挙げて解説しています。
ブッフォン選手、ノイアー選手、この二人は世界で最も優れたGKと言われています。しかしながら、どちらが一番でどっちが二番と優劣をつけることはできないです。
ブッフォン選手はイタリア代表でユベントスだから実力を発揮できているし、ノイアー選手はドイツ代表でバイエルンミュンヘンだから実力を発揮できている。
もし、ブッフォン選手がバイエルンでノイアー選手がユベントスにいたら世界的なGKにはなっていないと思います。
これは僕の考えですが、日本ではまずどのようなサッカーをするかを確立して、どのような役割をGKに与えられるかがカギになると思います。
そうすれば、ヨーロッパのようにGKの育成システムも確立しやすいと思います。
このように権田選手以外にも、日本のプロフェッショナルなGK達が「日本人GKの日本化」について語ってくれています。
興味ある方は是非読んでみてください👇
本の構成は?
表紙にも書いてある通りで、10人のプロフェッショナルなGK(選手、指導者)に、日本人GKが世界で戦っていく方法などについて聞いています。
非常にシンプルで読みやすくなっています。
また一人のGKをテーマごとに2回に分けて書いている部分もあります。
例えば、山田栄一郎氏の章は、時系列ごとに2つの章に分かれていて、間に西川周作選手のインタビューが挟んであるなど、読者を飽きさせない構成になっていると思いました。
そして、「GKをやってよかったか?」という質問をほとんどのGK選手にしていることに気が付きました。
これは、作者がどれだけGKというポジションが面白いのかということを、読者に理解してほしいのかを伝えているのではないかと思いました。
感想、おすすめの章は?
この本を読んで、それぞれのGKが何を大切にしてきてのかがわかりました。
例えば、楢崎正剛選手は圧倒的に「ポジショニング」と「足の運び方」を重要視していました。
また、西川周作選手は、GKがゲームメーカーになるべきだ、とも提言しています。
そんな中で僕のおすすめは、林彰洋選手の章です。
僕自身、林選手はシュートストップがとてもうまい選手だと思っていました。しかし本人はシュートストップが長所ではないと書いてありました。
ギャップを感じましたね。
そして林選手が大事にしていることは「シュートを打たせない」ことをです。
もしシュートが打たれる場面があったとしても、FWと常に駆け引きをしていると書いてありました。
この駆け引きの部分が本当に面白く皆様にも是非読んでほしいです!
また川口能活選手や中村航輔選手が「日本人GKの日本化」についてどのように考えているか知りたいなと思いました。
日本人GKはこれをすべき!という絶対的な方法論が書いてあるわけではありません。
むしろ、僕自身が何を基準にGKを育成しようということが明確になると思います。
この本を読んだ人が、自分自身のGKに対する軸を持ってくれることが一番大切なのではないかと思いました。
もしその軸がないのであればこの本を参考にしてみてください。