こんにちは。Atsuyaです。
今日はGKで重要なプレーの一つである「クロスボール(ハイボール)」についてブログを書いていきたいと思います。
その前に質問です!
Q:クロスボール(ハイボール)の対応は得意ですか?
僕はクロスボール(ハイボール)の対応が苦手でした。
なぜならば、身長が高いわけでもなく(175cm)、練習では上手くできるのに、
試合ではクロスボールに上手く対応できずに失点する場面が多々ありました。
しかし、意識を変えただけで苦手を克服することができました。
今回の結論から申し上げますと、クロスボール(ハイボール)で意識してほしいことは
「相手より先に触ること」です。
僕自身はこれを意識したらクロスボール(ハイボール)が楽に感じるようになりました。
もちろん意識するだけではプレーは上達しないので、意識して反復練習を行ってください。
効果的な反復練習は絶対に試合で活かされます!
話を戻しましょう。
これから、僕のクロスボール(ハイボール)の処理に対する考え方がどう変わっていったのか書いていきたいと思います。
僕自身、クロスボールの時は
「最高到達点でキャッチしろ!」と中学生ぐらいの時に教わりました。
当時、僕自身が考えてプレーしていたわけではないので、
最高到達点でキャッチすることを意識して練習していました。
今思えば少し違うのかな〜って思いますが、
当時のGKコーチも一生懸命練習メニューを考えてくれていたので本当感謝しています。
中学校1年生の時は身長が153cmぐらいで、かなり小さいほうだったのでハイボールの処理は単純に苦手でした。
しかし中学校3年生の時は170cmぐらいまで伸びたので、
クロスボール(ハイボール)に対して苦手意識はありませんでした。
高校生の時は、クロスボール(ハイボール)の対応に自信がありました。
キッカーがどこに蹴るのか予測して、クロスボールに対して積極的に飛び出していきました。ペナルティエリアギリギリまで出たことを覚えています。
よし!この調子で大学も頑張ろうと思いました。
いざ、大学に入ってみるとクロスボールに全く対応できなくなってしまいました。
理由は簡単で、キッカーのレベルが格段に上がったからです。
具体的に言うと、ボールスピードがとてつもなく速かったです。
コーナーキックでも、
「これシュートだろ!」って思うようなボールを蹴ってきて、
僕は対応できませんでした。
今考えると高校時代のGKコーチは質の高いボールを蹴ってくれましたが、
僕たちGKが触れるボールを蹴ってくれていました。
さらに筋力の違いもあり、高校生のボールスピードはやっぱり遅いです。
大学生はシンプルにキックにスピードと力、すなわちクロスボールにもパワーがありました。
大学1年生の時にそれを感じて、まぁそのうち慣れてくるだろうと思ってきましたが…
結局、慣れはしませんでした。
シュートスピードが上がったことに対しては2ヶ月ぐらいで慣れましたが、クロスボールは慣れることができませんでした。
とりあえず、どうにかしなければと思い改善策を考えました。
当時の改善策
- キッカーが蹴る直前に、早く動き出すことを意識する
- クロスボールに出ることができないなら、ゴールラインで守る練習をする
しかし、これらの改善点が裏目に出ました。
早く動き出すことを意識しようと思った結果、
ボールが蹴られる前に動き出す癖がついてしまいました。
その結果、キッカーが蹴る前に少し前に出てしまい、
蹴られたボールを見て「あ、出れない」と判断し、
ポジション修正している時にボールが曲がってきて
結局ゴールエリア内でヘディングされ、決められてしまう。
そしていつもこう思いました。
「今の出れたわ・・・」
割り切って、出られないならゴールラインで守ろうとしましたが、
ゴールエリア内で打たれたシュートは物理的に触ることができませんでした。
キッカーが蹴った後に反応するしかないのか。
サッカーのピッチの横幅は約68m、コーナーキックからゴールの中心までは約34mか…
色んなことを考えて練習してました。
当時大学4年生になる直前です。このままクロスボールが苦手な選手で終わるのか…
と思ったその時!
この本に出会いました↓
ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」
この本でクロスボール(ハイボール)の処理は、
「最高到達点で触ること」ではなく、「相手より先に触ること」と書いてありました。
かなり衝撃的でした。
確かにクロスボールは相手がいる状況で処理をしなければいけないことを再認識し、
相手より先に触ることを意識して練習を再開しました。
今まではクロスボールに対して最高到達点で触ろうとしていたので、
知らないうちに弧を描きながら、クロスボールを処理しようとしていました。
「ボールに対して最高到達点で処理する意識」でクロスやハイボールを処理しようとすると、次のような動作が入っていました👇
ボールに対して最高到達点で処理する意識
- 蹴られたボールの落下地点を予測する
- 最高到達点でとるために助走を多くし弧を描きながらボールへアプローチする(結果、歩数が多くなる)
- ボールに触る(相手に先に触られる時がある)
「相手よりも早くボールを触る意識」を持ってクロスボールを処理した場合👇
相手よりも早くボールを触る意識
- 蹴られたボールに対して最速で触れる落下地点を予測する
- 自分が最速でボール触れる(2歩から3.5歩)
ステップの数が減るのでボールへより早くアプローチすることができます。
これなら「ゴールの幅×ゴールエリア」の範囲は守れます。
コーナーキックを想定した場合です👇
ポジショニングも重要です。
以下のポジションに立てばほとんどのエリアに対して3歩以下ででボールにアプローチすることができます。
相手の右サイド(上)からのコーナーキックの場合を想定します。
①:約1m(1歩分)
ポジショニングはゴールエリアのゴールの中心から一歩(約1m)ぐらいのところに立ちます。
②:ニアサイドでゴールに向かってくる場合(2歩)
右足から動かし、左足で踏み切ります。
③:中央のエリア(3歩)
左足から動かし、右足、最後に左足で踏み切ります。
④:ファーサイド(3.5歩)
右足から動かし、左足をクロス、右、左で飛びます。
⑤:ファーサイドでゴールに向かってくる場合(3歩)
右足を少し下げて、左、右で飛びます。
ゴールポスト、ゴールキックラインまで何歩で行けるかを確認し、
最適なポジションを取ればホールエリア内に入ってくるボールには触れます。
この理論をわかった上でクロスボール(ハイボール)の練習をするべきです。
そして、日本人GKがクロスボールを苦手としている理由がもう一つあります。
元日本代表GK松永氏のゴールキーパー専門講座にも書いてありますが、
個人的には、今の選手はこの空間認知能力が昔の選手より落ちているように感じる。GKとしての全般的な能力は上がっているのにも関わらず、である。
ゴールキーパー専門講座 p92
日本人GKがクロスボール(ハイボール)が弱いと言われているのは、
そもそも空間認知の練習量が足りないからです。
クロスボールの処理は非常に難しい技術です。
クロスボールに必要な要素
- クロスボールに対する身体の向き(ポジショニング)
- エリア内の状況把握、コーチング
- 正しく落下地点を予測する
- 落下地点までステップで歩数を合わせる
- ジャンプ動作を行う
- フィジカルコンタクトをする場合がある
- キャッチングもしくはパンチングの判断をする
- キャッチングもしくはパンチングの技術を発揮する
引用:http://gk-adviser-ah.com/eight-factors-of-cross-ball/
考えただけでも沢山の要素が出てきます。
そして、クロスに対してどのような意識で処理をするのか、
どのようなポジションを取るかの理論も理解しなければなりません。
ですので、シーズン中なら週2回は練習したいですね。
以下のブログで具体的なトレーニング動画とともにクロスボールについて解説しているので是非ご覧ください👇
クロスボールを制覇する8つの要素 @獨協大学 GKトレーニングより
まとめ
ハイボール、クロスボールの処理は非常に難しい技術です。
まずはハイボール、クロスボールの処理に対する意識を変えましょう。
「相手より先に触る」ことです。
そしてクロスボールの処理が苦手なら週2回、3回練習していいかもしれません。
沢山の技術的、身体的な要素が含まれているので練習して損はないです。
効率の良い反復練習を通してクロスボールの達人になりましょう!
*こちらの記事は 2019年12月10日 に投稿した記事を2020年5月20日に新しく更新したものになります。
参考書籍
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