お父さん:「今日の試合、○○(息子)がずっとゴールキーパーをやってたな」
お母さん:「最近○○がゴールキーパーをやりたいって言ってるのよ。GKに絞ったほうがいいかしら・・・」
お父さん:「まだ小学生だし、フィールドプレーヤーも継続したほうがいいんじゃない?」
こんにちは、Atsuyaです。
本日は、【GKのお父さん、お母さんの悩み】小学生は『ゴールキーパー』だけをさせるべきなのか?
というテーマでブログを書いていきたいと思います。
先日以下のような質問を受けました👇
小学生の息子がサッカーをやっています。最近、ゴールキーパーに憧れています。そのため、チームの試合でもゴールキーパーばかりやります。好きなポジションができたことはいいのですが、一つのポジションだけを固定していくべきでしょうか?
最近では、SNSやDAZNなどでゴールキーパー特集などもあり、GKが身近な存在になりつつありますね。
GKが活躍する姿に感化されて、GKを目指す子供も増えてきたのだと思います。
結論から申し上げると、
小学生の段階では、ゴールキーパーだけに特化してトレーニングをするべきではない。
サッカーのすべてのポジションを経験することが大切。
しかし、ゴールキーパーを行う上で最低限学ばなければいけない技術がある。
本日の概要はこちらです👇
・小学生のうちはゴールキーパーだけでなく、DF、MF、FWもやるべき理由
・今後ゴールキーパーは足元のテクニックも「フィールドプレーヤーと同じぐらい」求められる
・小学生のうちから「ゴールキーパーだけ」という選択肢を絞ってはいけない
では、深堀していきます👇
小学生のうちはゴールキーパーだけでなく、DF、MF、FWもやるべき理由
小学生の段階ではゴールキーパーだけでなくDF、MF、FWなど様々なポジションを行うべきです。
なぜならば、様々なポジションを行うことでサッカー全体の『戦術理解度』が高まり、『フィールドプレーヤー(FP)の気持ちが理解できる』からです。
✅DF、MF、FWのポジションを経験することで
ゴールキーパーが小学生(育成年代)でGK以外のポジションを経験することで
・戦術理解度を高める
・フィールドプレーヤーの気持ちが理解できるようになる
ことができるでしょう。
以前のブログ(ゴールキーパー初心者は「技術」より「GKに対する考え方」を学ぶべき)でも書いた通り、
近年のサッカーではGKは『戦術の一部』ではなく『戦術の軸』になります。
そのためゴールキーパーはサッカーの戦術をチームの誰よりも理解しなければいけません。
理解するためにゴールキーパーはGK以外のフィールドプレーヤーの動きも理解しなければいけません。
・DFのポジションを理解することで、ボールを持っている時、味方DFが相手選手にプレッシャーをかけられた時どこでボールを受けたら攻撃のリズムを落とさずにボールを保持することができるのか?
・MFを経験することで、ビルドアップをしているときにどのタイミングでDFラインに落ちてきてゴールキーパーのサポートをした方がいいのか?
・FWをすることで、どのタイミングでGKからの裏のボールを要求するのか?
上記のことが理解できます。
また全てのポジションを行うことでボールポゼッションやビルドアップ時の全体的な立ち位置を理解できるでしょう。
✅フィールドプレーヤーの気持ちを理解できる
ゴールキーパーをしているならば、『セーブできない間合い』というのがあります。
だいたいボールを持っている相手選手との間合いが3〜5mだとシュートを決められてしまいます。
これはGKにしかわからないことかもしれません。
例えば、フィールドプレーヤーとの合同で3〜5mの間合いになる一対一のトレーニングをしたとしましょう。
フィールドプレーヤーから「GK全然止めれてないじゃん!」、「決めるの余裕だな〜」って言われたらどうですか?
もちろん間合いを詰めるなどの工夫をすれば止めることはできるかもしれないですが、失点することの方が多いでしょう。
つまりGKの理論をわかっていないと相手の気持ちを理解できずに発言してしまうことがあります。
ゴールキーパーでも同じです。
例えば数的不利な状況でDFの選手に「ボール取りいけ!」、「なんでシュート打たせるんだよ!」など言ってないでしょうか?
DFにも守備の個人戦術やグループ戦術があります。
それを理解してないと自分勝手なコーチングをしてしまいます。
自分勝手なコーチングをしてしまうと味方選手からの『信頼』を失ってしまい、チームの勝利に貢献できなくなります。
GKとして大成するためにもフィールドプレーヤーの個人戦術やグループ戦術、そして気持ちを理解できるようにならなければいけませんね。
今後ゴールキーパーは足元のテクニックも「フィールドプレーヤーと同じぐらい」求められる
「俺は足元のテクニックがないからGKやろ~」
「GKはあんまり動かなくていいからな~」
今ではこのような考え方は少なくなってきていると思いますが、ゴールキーパーは決して簡単なポジションではありません。
先ほども述べたように、現代のゴールキーパーは戦術の軸になります。
なので、「自分がチームの中心」ということを意識してゴールキーパーを務めましょう。
僕はドッジボールが強いという理由でゴールキーパーを始めました・・・(笑)
✅小学生でさえ、GKは足元のテクニックを求められる
小学生の全国大会の試合を見てみるとわかりますが、
小学生のゴールキーパーでさえビルドアップに参加し、有利なスペースにボールを運ぶことが求められます。
昨年の全日本少年サッカー決勝の映像です。
上記の試合を10分みただけでわかりますが、GKにも高い足元の技術が求められます。
先ほども書いたようにゴールキーパーは『戦術の一部』ではなく『戦術の軸』になることが求められます。
では、どんな足元のテクニックが必要なのか?
ゴールキーパーが学ばなければいけない足元のテクニックは
・パス&サポート
・コントロール
・コンドゥクシオン(運ぶドリブル)
です。
もちろん、レガテ(抜くドリブル)やシュートの精度も高める必要があります。
しかし、上記の3つの技術は最低限身につけなければなりません。
3つの技術を身につけるためにもフィールドプレーヤーと同じトレーニングを行い、
技術を習得し、さらにフィールドプレーヤーの気持ちを理解すれば良いGKになれるでしょう。
以下のブログで、『パス&サポート』『コントロール』『コンドゥクシオン(運ぶドリブル)』について解説しています。興味ある方は是非ご覧ください。
小学生のうちから「ゴールキーパーだけ」という選択肢を絞ってはいけない
小学生のうちは、『選択肢を絞る』のではなく『選択肢を広げる』ことが大切です。
「小さいころから特定のポジションを極めたほうが良くない?」って思う人もいるかもしれません。
しかし、ゴールキーパーだけをやっていると、GKに必要な能力しか伸びない場合があります。
またフィールドプレーヤーも同様にフィールドプレーヤーしかやっていないと『投げる』、『ジャンプする』、『転がる』などの動作習得ができない場合があります。
現代のサッカー選手はアスリート能力が高くないとプロにはなることが難しいと言われています。
簡単に言うと、サッカーのテクニックだけではなく、
・スプリントの速さ
・その速さのスプリントを何回繰り返せるのかの持久力
・フィジカルコンタクトで負けない
など、細かいことを上げればたくさんあります。
現代のゴールキーパーはゴール前にいるだけではなく、20~30mダッシュして裏のスペースに来たボールを処理する、
何度もパス&サポートを繰り返すなど、フィジカル的な能力も求められます。
ボール無しの専門的なトレーニングをして、フィジカル的な能力も向上させることもできます。
しかし小学生の段階では、『様々な種類のスポーツ』を行うことで能力を向上させることができるでしょう。
結果、サッカー選手として、ゴールキーパーとして大成できるかもしれません。
小学生のうちは、『選択肢を絞る』のではなく、『選択肢を広げる』ことを意識していきましょう。
✅それでも「ゴールキーパーをやりたい!」って言ったら?
「子どもの選択肢を広げたい!!」って保護者が思っていても、子どもがゴールキーパーというポジションが大好きだった場合、選択肢を広げることは難しいですよね。
子どもが「やりたい!」って思っているなら積極的にやらせてあげてください。
そして子どもが「GKでなく他のポジションもやりたい!」って言ったら、
「あんたこないだまでGKやりたいって言ってたじゃない!!!もう嫌になったの?」などと嫌味っぽく言うのはやめましょう。
子どもはすぐ飽きてしますのでやりたいことをやらせてあげることが大切です。
しかし、ゴールキーパーをやるならば、怪我をしないための最低限の技術が必要です。
キャッチング:手の怪我を防ぐために!
ローリングダウン:態勢が崩れたときは無理せず転がろう!
ポジショニング:相手がシュートを打ちにくい位置を探そう!
あとは、フィールドプレーヤーでも共通して言えることですが、『ジャンプ動作』も積極的に取り入れていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本日は、【GKのお父さん、お母さんの悩み】小学生は『ゴールキーパー』だけをさせるべきなのか?
というテーマでブログを書いていきました。
小学生の段階では、ゴールキーパーだけのトレーニングしてはいけません。GKだけを専門的にやってしまうとフィールドプレーヤーの気持ちが理解できなくなるからです。DF、MF、FWも同じくらい経験することで、「どのようにコーチングすれば味方は動くのか?」「MFの選手にどのタイミングでパスを出せばいいか?」「FWの選手がシュートしにくいポジションがどこなのか」が理解できます。サッカーに対する戦術理解度も深まります。また、GKが『戦術の軸』になるために必要な足元のテクニックも向上させることができます。育成年代では選択肢を絞って『極める』のではなく、たくさんのチャレンジができるように選択肢を『広げる』ことを意識しましょう。どうしても「GKをやりたい!」って選手が出てきたら、基本的なキャッチングやローリング、ジャンプ動作を習得させていきましょう。選手が成長できるような環境を指導者が整えてあげることが大切です。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
こちらの記事は、筆者の個人的な意見であり、真偽を明確にするものではありません。