若手GKコーチ)「最近、中学生ゴールキーパーを指導しているんですけど・・・今まで大学生を指導していたので何を分析していいかわかりません・・・」
ベテランGKコーチ)「大学生に対してはどんな分析をしていたの?」
若手GKコーチ)「失点の分析です!そして次の試合の対策をトレーニングしました!」
ベテランGKコーチ)「それもゴールキーパーにとても大切だよね!中学生も失点の分析を続けるべきだけど、トレーニングでやったことは試合で活かされてる?」
若手GKコーチ)「え?・・・できてないかもしれないです。」
ベテランGKコーチ)「中学生年代はまず初めにトレーニングで学んだことを試合で発揮できているのかを分析する必要があるよ!」
こんにちは、Atsuyaです。
本日は【GK分析】中学生のゴールキーパーに対して何を分析するべきか?いうテーマでブログを書いていきたいと思います。
先日以下のような質問を受けました👇
「現在中学生年代のゴールキーパーの指導しています。週末の試合や普段の練習などでビデオを撮って失点の分析などをしています。その他に分析することって何かありますか?」
中学生年代で、試合や練習などでビデオ撮って失点の分析することはとても素晴らしいことだと思います。他のチームではなかなかやっていないことだと思うのでぜひ継続してほしいと思います。
きっと、ゴールキーパーたちもすごく上達していると思います。
少し話がそれてしまいましたが、中学生(ジュニアユース)年代で必要な分析は、失点の分析のほかに、
「普段のトレーニングの成果が試合で発揮できているか?」です。実際のトレーニングで『何を』選手たちに落とし込んで、それが『試合で発揮』できているかを確認する必要があります。
今回のブログ記事で詳細を詰めていきたいと思います。
本日の概要はこちらです👇
・その1週間、その1ヵ月で何をトレーニングしてきたのか?
・なぜそれができたの?できなかったの?選手たちへのフィードバックが必要
・新しい課題は出てきましたか?
・トレーニングを再構築する必要は?
・GKコーチだけでなく、選手もトレーニングについて考えよう!
では深掘りしていきます。
その1週間、その1ヵ月で何をトレーニングしてきたのか?
まず、ジュニアユース年代のゴールキーパーを指導するときは、「中学生を指導しているんだ!」と言うことを意識しなければいけません。
どういう意味?と思う方もいると思いますが、
プロ選手であれば、週末の試合を分析しそれらの改善策をトレーニングで行い、翌週の試合に同じような失敗が起こらないようにする必要があります。
またプロの選手の場合は次の対戦相手の特徴を分析しながら、トレーニングを組むこともあります。
しかしジュニアユース年代は中学生なので、技術や戦術を向上させる必要があります。技術や戦術等を向上させるために日々トレーニングしています。
なので試合のときには失点の分析だけではなくて、その週にどんなことをトレーニングして、それが試合で発揮できているのか?がとても大切です。
例えば、1週間クロスボールのトレーニングをした場合、その週の試合で見るポイントはクロスボールへの対応です。
・積極的にチャレンジできているのか?
・そもそもチャレンジできるようになっていないのか?
・チャレンジをしているものの落下地点を適切に見極めらることができているのか?
・空中での姿勢はどうだったのか?
・キャッチングとパンチングの判断は適切なものだったのか?
というものをチェックしなければいけません。
そこで練習したことができていれば、翌週のトレーニングでは新しい課題に向けて挑戦することができます。
例えばその1週間に、「クロスボールにおける落下地点の予測」を練習し、その試合でその技術を発揮できていれば、
翌週には空中での姿勢やキャッチングやパンチングの判断などのトレーニングをすることができます。
逆にそれらができていないのであれば、なぜできなかったのかを考えトレーニングのやり方を少し変更しなければいけません。。
なぜそれができたの?できなかったの?選手たちへのフィードバックが必要
そして、練習したプレーができたできなかったということをコーチだけではなくて選手自身も考える必要があります。
コーチはある程度の技術だったり戦術を理解しているので、それらを選手にも理解させるためにコーチたちは伝える必要があります。
そしてできなかった経緯も伝えてあげましょう。
伝えた結果、その選手が自分でどうしてできなかったかを考える事になります。
サッカーでは目まぐるしく状況が変わるスポーツです。
なので自分たちの頭で考え行動していく習慣を身に付けていくためにも、コーチ達の働きかけが必要です。
そして選手たちにフィードバックする際にはいろんな方法があります。
例えば、
・トレーニング後や試合後の口頭でのフィードバック
・LINEやチャットアプリなどで文字を使ったフィードバック
・サッカーノートを通じて、フィードバックを行う
などがあります。
即時にフィードバックするためにはグラウンドで行うことも必要です。
しかし選手の思考をする時間を確保するには文字を使ったフィードバックも有効です。
僕の場合は、選手からの質問に対してはLINEでも受け付けるようにしています。選手の中には、他の選手の前で質問できないこともあるのでチャットアプリはとても有効です。
しかし指導者と選手との関係なので、使い方や言葉遣いは十分に気を付けなければいけません。
もちろんこれはチームの雰囲気やコーチと選手との関係もあるので、そこは自分たちで判断してください。
しかし良好な関係を築けていればアプリでコミュニケーションをとることも有効な方法の1つだと思います。
新しい課題は出てきましたか?
トレーニングを通じて、技術を習得し、試合で発揮できていたならば、新しい課題に挑戦しなければいけません。
先程のクロスボールで述べた通り技術には段階があります。
クロスボール1つとっても、
・エリア内の状況把握
・クロスボールに対するポジショニング
・クロスボールに対する体の向き
・落下地点の予測
・足の運び方
・ジャンプ動作
・空中での姿勢
・キャッチングorパンチングの判断
・セカンドボールの対応
・ボールをキャッチした後の配球
があります。なのでGKコーチは技術的にどのような段階なのか?を把握してトレーニングを構築する必要があります。
なのでトレーニングを考える際は、
年間でどこまで選手を育成するのか?
そのために各月でどのようなトレーニングを行うのか?
1週間のトレーニングの中で選手にに置く落とし込んでいくのか?
を考えですがあります。
以下のブログで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
トレーニングを再構築する必要は?
仮に、トレーニングした事が試合で発揮できなかったとします。
その場合はトレーニングをもう一度考え直さなければいけなません。
具体的には、
・そのトレーニングに再現性があったのか
・そもそも選手たちは理解できていたのか?
・理解していても試合中にメンタルが崩れていなかったのか?
上記のことを考えて、もう一度トレーニングを構築していかなければいけません。
✅そのトレーニングに再現性があったのか?
これは、簡単に言うと、試合中と同じ状況を作れていたかと言うことです。
例えば、試合中のビルドアップで相手のファーアストラインを超えるために、パス&サポートの技術を習得させたいとします。
その時によくありがちの練習として、右サイドからボールを受けてゴールキーパーが左サイドに展開する。
それを何度も繰り返す練習があります。
この練習は味方選手に対して、サポートすることや、パスの精度、コントロールの技術を向上させる事はできます。
しかし相手の状況に応じて、プレーを変える事はできません。
なぜならばそのトレーニングに相手がいないからです。
もちろん相手のファーストラインを超えるためにビルドアップのトレーニングをするのであれば、相手をつける必要があります。
もちろんチームによってはゴールキーパーの数がいないので、ゴールキーパーのトレーニングだけで相手を設定する事は難しいと思います。
その場合は大きいコーンなどで代用してやることも大切です。
✅そもそも選手たちは理解できていたのか?
そして次に確認しなければいけないのは、
「そもそも、その週の練習で何をトレーニングしたのか?」
そして
「技術を理解しているのか?」
を確認する人があります。
「先週何のトレーニングをしたか覚えてる?」と聞いたときにしっかりと回答が返ってくるかを確認する必要があります。
もし返答が来なければ、選手たちはきっと理解していないはずです。
GKトレーニングの場合はなんとなくトレーニングをして、上達することはできません。
今日、何を学習していてどのような状況でこの技術を発揮するのか?を理解しながらトレーニングする必要があります。
✅理解していても試合中にメンタルが崩れていなかったのか?
そして理解していても試合中にメンタルが崩れてしまった場合は、技術を正しく発揮することができません。
なので状況の確認として試合中にそもそもメンタルがどういう状態なのかをコーチは理解する必要があります。
メンタルを整えるためには、
・普段から感情を紙に書き出す習慣
・失敗ノートを書く習慣
・試合前のルーティーンを決める
などがあります。
これは僕が選手時代に行ったことなので、参考になる部分があればやっていただいて構いません。
また選手によっては試合前にプロのスーパーセーブ集を見る選手もいます。
メンタルを整えるためには、
試合前に何を行うか?
試合中メンタル崩れそうな時にどのようなアクションを起こすか?
を事前に考える必要があります。
なので普段からゴールキーパーコーチはメンタルの整え方について伝えておく必要があります。
ゴールキックが上手く蹴れなくなったときの対処法が以下のブログに書いてあります👇
ゴールキーパーコーチだけでなく、選手もトレーニングについて考えよう!
そして、GKコーチはトレーニングを考える際に選手の意見を引き出すことも大切です。
単純に今回のトレーニングはどうだったのか?
実際に試合出てきている感覚はあるか?
などを聞く必要があります。
もちろん選手自身はそのトレーニングに対して一生懸命やっているので、
「このトレーニングは試合で活きるのか?」
と言うことを考える暇ないかもしれません。
しかし、ちょっと気づきがあるかもしれません。
例えば、クロスボールの練習の時にGKコーチは相手フォワードの役割の選手を置きます。その時にゴールエリア内に相手FWを設定するコーチもいます。
その時に選手が、「最初からここにいたらオフサイドだろ!」と発言します。
そういう意見を聞き逃さずに、「確かに、このポジションはオフサイトだから、もうちょっと相手の位置を変えよう」と言うことができると思います。
選手にトレーニングのことを考えさせることも、ゴールキーパーの技術を理解することにつながります。
僕の体験談ですが、大学ではGKコーチがいませんでした。
しかし、僕の2つ上3つ上の先輩はJリーグに入団することができました。GKコーチがいなくてもゴールキーパーだけでトレーニングを作成し、よりリアリティーのあるトレーニングはできたかと思います。なので選手自身が考えて、自分たちの技術を向上させるトレーニングができれば、僕たちGKコーチもいらないかもしれません笑
これは冗談ですが、GKコーチがいても選手たちはトレーニングについて考える必要があります。
そして、考えるためにはある程度ティーチングでゴールキーパーについて指導する必要があります。
なのでジュニアユースの年代、育成年代の方がゴールキーパーの指導者は絶対に必要だと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか本日は、【GK分析】中学生のゴールキーパーに対して何を分析するべきか?についてブログを書いていきました。
中学生年代のゴールキーパーを指導する際には、失点の分析だけではなく、その週のトレーニングで何をして、その週の試合でその成果が出たのかをチェックする必要があります。
そしてうまくいったならば新しい課題を選手に与え、より成長していかなければなりません。
仮にうまくいかなかったとしても、何が原因でうまくいかなかったかを突き止め、次の週のトレーニングに活かしていく必要があります。
そしてトレーニングもコーチだけが考えるのではなく、選手自身もなぜこのトレーニングをしているのかを理解する必要があります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
こちらの記事は、筆者の個人的な意見であり、真偽を明確にするものではありません。