こちらの記事は 2019年6月2日 に投稿した記事を2019年11月17日に新しく更新したものになります。
こんにちは、Atsuyaです。
僕は現在、社会人チームで選手兼コーチをしています。
いわゆるGKコーチです。
今回のブログでは僕がGKトレーニングを行うときに
常に自分に言い聞かせていることを書いていきたいと思います。
主にGKコーチの皆さんに質問です。
「GKトレーニングをするとき、誰がボールを蹴っていますか?」
GKコーチだけが蹴っているのであれば、気を付けてください。
もし選手のキックがなかなか上手くならないなと思ったら、
それは、あなたのせいかもしれません。
今日の結論から申し上げると
「GKトレーニングでボールを蹴る場合、だいたいは選手に任せた方が良い」
特に小学生、中学生、高校1年生ぐらいまでは
選手たちにあえて蹴らせてもいいと思います。
GK選手たちにボールを蹴らせる理由はこちらです👇
- 単純に選手たちキックの制度が上がる
- このトレーニングではなぜこの種類のボールを蹴るのか、考えるきっかけをGK選手たちに与えることができる
- GKコーチがGKをより観察することができる
- 小学生、中学生に限る可能性があるが、正確にボールが蹴ることができず予想外の反応をしなければならないためGKのトレーニングにもなる
この4つを解説していきたいと思います。
☑単純に選手たちキックの制度が上がる
これは文章通りの意味です。(笑)
選手たちがボールを蹴ることによってキックの制度も上がるし、キック力も上がります。
例えば、クロスボールを中学生選手たちに蹴らせるとします。
ゴールラインの長さが約68mなので単純に34m(約半分)ボールを蹴らなければなりません。
これを週に2、3回やるだけでも中学生だったら十分にキック力も伸びると思います。
しかし中学生では体の大きさにも個人差があるため、
キック力がない子にはペナルティーエリアの少し外側から蹴ってもいいよといってあげてください。
しかし例外もあります。
クロスボールの場合、トレーニングの設定として
「ファーサイドに来たボールを処理すること」であるならば、
GKコーチが蹴ったほうが良いでしょう。
GKコーチが蹴るのか、選手が蹴るのか、
トレーニングのねらいに応じて誰が蹴るのかを明確にしていきましょう。
またGK選手だけでシュートストップの練習をするときも選手にたくさん蹴らせてあげてください。
シュートではコースを狙ったり、力強くシュートすることも必要なのでキックを上達させるためには非常にいい方法です。
☑このトレーニングではなぜこの種類のボールを蹴るのか、考えるきっかけをGK選手たちに与えることができる
GKコーチは常に試合を想定してボールを蹴っています。
例えば、僕自身、正面キャッチのボールを蹴るときは3種類の方法を使っています。
- 両手でボールをもって正面にボールを蹴る
- ショートバウンドさせてから正面にボールを蹴る
- 地面に置いたボールを正面に蹴る
僕がなぜ3つの正面キャッチを使い分けているか書いていきます。
1.両手でボールをもって正面にボールを蹴る
両手でボールをもって正面にボールを蹴る理由は、
3つの中で一番正確にボールを蹴ることができるからです。
正確に蹴ることでGK達にしっかりとボールをキャッチする感覚を養っていきます。
しかし両手でボールをもって正面にボールを蹴るデメリットは、
ボールがドライブ回転になってしますことです。
その理由は浮いているボールを下から蹴っているからです。
実際の試合では、ドライブ回転のボールをキャッチすることはほとんどありません。
トレーニングではボールをキャッチできるのに試合になるとキャッチできないのは、この正面キャッチだけをやっているからかもしれません。
2.ショートバウンドさせてから正面にボールを蹴る
ショートバウンドさせてから正面にボールを蹴る理由は、筋力がなくても速いボールを蹴ることができるからです。
僕自身も中学1年生のとき身長が153㎝と小さかったのでパントキックはドロップキックで蹴っていました。
ドロップキックは、小さい力でボールを飛ばすことができるからです。
正面キャッチも同じで速いボールを蹴ることができるので良い練習になります。
球種も足首の角度を変えればバックスピンのボールと無回転のボールを蹴ることができます。
このキックのデメリットは正確にボールを蹴ることが難しいことです。
3.地面に置いたボールを正面に蹴る
地面に置いたボールを正面に蹴る理由は、
試合中に一番多いシチュエーションだからです。
試合中キーパーに向かってくるボールは地面の上から蹴られたボールです。
これはGKトレーニングでもやるべきです。
また地面に置いてあるボールは横回転のボールも蹴れるので実践に近いキャッチの練習ができます。
このキックのデメリットは、ドロップキックと同様に正面に蹴ることが難しいです。
地面に置いてあるボールを正確に速く胸の位置に蹴ることはGKコーチですら難しいです。
もし選手ができたら、その選手は相当キックが上手くなっていると思います。
以上のように、正面キャッチを例に挙げても様々なキックの種類が必要です。
両手でボールをもって正面にボールを蹴るような正面キャッチを1回のアップで15本やるならば、
紹介した3つの球種を5本ずつに分けたほうが実践的なキャッチングが身につくと思います。
GKコーチだけが蹴るのはもったいなくはありませんか?
選手達に蹴らせることで選手たちのキックは確実に上達します。
そしてなぜこの練習でこの球種を蹴るのか選手たちが考え、知ることで成長することができます。
☑GKコーチがGKをより観察することができる
これも文章通りなのですが…(笑)
クロスの練習やシュート練習でGKコーチが蹴っていると、
GKの大事な要素であるポジショニングが確認できません。
GKはポジショニングがあってのシュートストップです。
特に小学生、中学生段階では非常に重要です。
もしGKコーチがボールを蹴るのであれば、
他のGK選手にポジショニングを確認するようにしてもいいかもしれませんね。
☑小学生、中学生に限る可能性があるが、正確にボールが蹴ることができず予想外の反応をしなければならないためGKの練習になる
やはりGKコーチが蹴ったほうが正確にボールを蹴ることができます。
しかし、試合でのGKの仕事は蹴られたボールに反応することです。
選手たちが蹴ったボールは予想外のところに行く可能性があります。
これはデメリットでもありメリットでもあります。
GKコーチはボールを受けるGKに対して
「試合では予想外のことがおきる。だからミスキックにも反応しよう!」
と伝えてあげてください。
まとめ
このような4つの理由からGK練習の時はできるだけ選手たち自身にボールを蹴らせたほうがいいです。
GKコーチはキックマシンではないです。
GKコーチの仕事はGKを上手くすることです。
さらにGKコーチがすべて蹴っていたらGKコーチが怪我をする可能性があります。
より長くGKコーチであるためにもキックマシンにならないように心がけたいです。